最近は多くの方がテレビや新聞、雑誌などを通して「インプラント治療」というものを耳にされていると思います。
では実際にどの様な治療方法なのでしょうか?
インプラント治療とは、歯が抜けてしまった部分にインプラント(人工歯根)を埋めて顎の骨と結合させ、最終的に人工の歯を被せ、咬合再生させる歯科治療法です。
かみ心地も快適で、人工歯の色調や形などは自然歯に合わせることができます。現在の歯科医療で注目されている技術で、天然歯と同等の機能性や見た目を手に入れることができます。
また、インプラント治療が怖いという方にも治療を受けていただけるように、静脈内鎮静法を取り入れています。鎮静薬を静脈に点滴する精神鎮静法の一つで、ウトウトとしている間に手術が終わってしまうので、インプラント治療になかなか踏み出せない方も、当院では大学病院から麻酔の先生に来ていただき静脈内鎮静を行っておりますので一度ご相談ください。
国内でのインプラントの歴史を紐解くと、国内への導入当初、多くインプラント治療がなされてきたのは大学病院よりも、日々進化する治療法に対して敏感で、導入への障壁も少ない個人開業医の医院でした。
ただし当初は材料、機械、技術とも現在ほど優れたものではなかったので、失敗するケースも多く、インプラントを入れて数年で撤去ということも多かったようです。
失敗したインプラントの撤去を依頼されたのは大学病院の歯科口腔外科で、ひっきりなしにインプラント撤去手術をさせられた外科の先生方の間では、インプラントは良くないものだとの認識が広まり、これが現在でもインプラントは危険なものだという誤った知識の根底にあるように思います。
外科の先生に限らず、入れ歯の専門の先生や、歯周病専門の先生は総じてインプラントに対しては同様に良くないものであるとの認識をお持ちであったようです。
しかし、近年多くの臨床例と研究からインプラント治療は目覚ましい発展を遂げ、現在では予知性の高い治療法として注目され、大学病院においても歯科口腔外科も歯周病も入れ歯の専門科もこぞってインプラントを導入していることからも、もはやインプラントが良いものか、悪いものかという議論をする時代ではないことを証明しているように思います。
現在のお口の中を拝見し、レントゲン写真 問診結果などをもとに、今後の流れ 治療期間 費用についてご説明致します。また他の治療法とも比較しながらわかりやすくインプラントについてご説明します。
治療に入る前にお口中の検査をし、必要なレントゲン、CTを撮影します。診断用の模型を作製します。
精密検査の結果をもとに、今後の治療計画を立てます。精密検査によって得られた資料を提示しながら治療詳細を説明し、見積書 治療計画書をお渡しします。
インプラント治療を行う前にいくつかの、検査や治療(虫歯、歯周病)を行います。これはインプラント治療において、感染を予防することが最も大切だからです。また手術前にお口の中全体をクリーニングします。
顎の骨にインプラントを埋め込みます。この手術は局部麻酔で行います。軽度なものでは抜歯程度でもちろん入院の必要もありません。
手術は1回法と2回法がありますが、骨の質、歯肉の状態により判断しております。
一次オペ後、インプラントと骨が強固に結合するまで待ちます。
上顎の場合 約4~6ヶ月、下顎の場合 約2~4ヶ月ほどかかります。
インプラントと顎の骨が結合したら、歯肉の整形手術を行い歯肉の治りを促進させるため専用のキャップをつけます。
支台装置(アバットメント)と呼ばれる歯を取り付けるための土台を装着します。
最終的なクラウン(被せ物)を装着します。根っこ自体はチタンですが、口の中の見た目は天然歯とほとんど変わりません。
インプラントを長持ちさせ、安定した状態を維持していくためには日々のメンテナンスも大切です。ふじしろ歯科クリニックでは、インプラントを含めた口腔内全体の清掃状態・かみ合わせのチェック、クリーニング、ブラッシング指導などを定期的に行っています。
インプラントに限らず天然の歯にも言えることですが、歯科医院で定期検診をうけることは非常に大事です。
定期検診を行っていれば、何かトラブルがあっても、早期発見 早期治療ができ、インプラントや周囲の歯を健康に保つことができます。
お口の中のインプラントは、天然の歯とほとんど同じ様に見えますが、長持ちさせるにはいくつかの注意すべき点があります。
当然のことながらインプラント自体が虫歯にはなりませんが、実はインプラントでも歯周病にはなるのです。
そこで歯周病予防のための毎日の清掃が大事になってきます。
清掃は市販の歯ブラシ、歯磨き粉で問題ないのですが、大事なのは磨き方です。インプラント治療をされた方には、当院でしっかりとポイントを含め指導をさせていただきます。また定期検診に来られた際には、専用の道具を用いた清掃も行っていきます。
これらの清掃がおろそかになるとインプラントでも歯周病になってしまいます。
歯ブラシがうまく出来ていないと、汚れや食べかすはインプラントと歯肉の境目に付着します。
この汚れの内部には歯周病の細菌が潜んでおり、その汚れは時間の経過とともにどんどん深く(インプラントの先端方向)侵入していきます。
こうなると普段の歯ブラシだけでは汚れを掻き出すことができず、歯肉の中で歯周病細菌が繁殖を起こします。
最終的には、インプラント周囲の歯肉が腫れ、さらに進行してくるとインプラントを支えている骨が吸収をしてきます。
さすがに丈夫なインプラントと言えども、噛みあわせが悪くインプラント一か所に負担がかかりすぎると長持ちしません。
インプラントをしたものの「よくかめない」「結局ダメになった」という場合、このかみ合わせに対する配慮が不足している可能性があります。
いくら技工士さんに見た目が綺麗で自然な歯を作ってもらっても、入れて長持ちしなければ悲しいですよね。